介護離職を防ぐために
知っておきたいこと
辞める前に、知っておいてほしい選択肢があります
「親の介護があるから、仕事を辞めるしかない」——そう思い詰めている方は少なくありません。実際、介護を理由に離職する人は年間約10万人と言われています。でも、辞めてしまう前に知っておいてほしい制度や選択肢があります。この記事では、仕事と介護を両立するためのヒントをお伝えします。
1介護離職の現実を知っておく
介護離職をした人の多くが、後から「辞めなければよかった」と後悔しているというデータがあります。
介護離職後に起きがちなこと
- ●収入が途絶える:介護費用は続くのに、収入がなくなり経済的に追い詰められる
- ●社会とのつながりが減る:介護だけの毎日で孤立感が増す
- ●再就職が難しい:介護が終わった後、ブランクが障壁になることも
- ●介護者自身が倒れる:休みなく介護を続け、心身を壊してしまう
「仕事を辞めれば介護に専念できる」と思いがちですが、実際には仕事を辞めたことで状況が悪化するケースも多いのです。
2まず会社の制度を確認する
介護離職を考える前に、まず勤務先の制度を確認しましょう。法律で定められた制度に加え、会社独自の支援策がある場合もあります。
法律で定められている制度(育児・介護休業法)
介護休業
対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割取得可能。休業中は雇用保険から給付金(賃金の67%)が支給されます。
介護休暇
対象家族1人につき年5日(2人以上なら年10日)まで取得可能。通院の付き添いなど、ちょっとした用事に使えます。
短時間勤務・残業免除
介護が必要な間、短時間勤務や残業の免除を申請できます。利用開始から3年以上の期間で2回以上利用可能。
フレックスタイム・時差出勤
始業・終業時刻の繰り上げ・繰り下げができる場合があります。会社の制度を確認しましょう。
ポイント:これらの制度は「申請すれば使える」ものですが、知らないまま辞めてしまう人が多いのが現状です。まずは人事部や総務に相談してみましょう。
3介護保険サービスをフル活用する
「自分が仕事を辞めて介護するしかない」と思う前に、介護保険サービスを見直してみましょう。使えるサービスを最大限活用することで、仕事を続けられる可能性があります。
仕事との両立に役立つサービス
デイサービス
日中、施設で過ごしてもらうことで、仕事の時間を確保できます。入浴や食事、リハビリなども受けられます。
ショートステイ
数日間施設に泊まってもらうサービス。出張や繁忙期など、集中して仕事したいときに活用できます。
訪問介護
ヘルパーが自宅に来て、身体介護や生活援助をしてくれます。朝や夕方の時間帯に頼むことも可能です。
小規模多機能型居宅介護
「通い」「泊まり」「訪問」を柔軟に組み合わせられる便利なサービスです。
ケアマネジャーに「仕事を続けたい」と伝えれば、それに合わせたケアプランを一緒に考えてくれます。遠慮せずに相談してみてください。
4一人で抱え込まない
介護離職に追い込まれる人の多くは、「自分がやらなければ」と一人で抱え込んでしまっています。でも、介護は一人で担うものではありません。
頼れる先を増やしましょう
- ●兄弟姉妹・親族:介護の分担について話し合う。お金の負担だけでも分け合えないか相談する
- ●ケアマネジャー:介護の専門家として、サービス調整だけでなく家族の相談にも乗ってくれる
- ●地域包括支援センター:介護に関する総合相談窓口。何から手をつけていいかわからないときにも
- ●会社の上司・人事:介護の状況を伝えることで、働き方の調整ができる可能性がある
「迷惑をかけたくない」という気持ちはわかりますが、SOSを出すことは決して恥ずかしいことではありません。むしろ、早めに相談することで選択肢が広がります。
5「辞める」以外の選択肢を考える
どうしても今の働き方では続けられないと感じたとき、「辞める」以外にも選択肢があります。
部署異動を相談する
残業の少ない部署や、在宅勤務ができる部署への異動を打診してみる
雇用形態を変える
正社員からパートタイムに変更し、介護との両立を図る
転職を検討する
介護に理解のある会社、在宅勤務ができる仕事を探す
一時的に休職する
介護休業を使って態勢を整え、復帰を目指す
完全に辞めてしまうと、後から「やっぱり働きたい」と思っても戻るのが難しくなります。何らかの形で仕事とのつながりを保っておくことをおすすめします。
6西淀川区での相談先
仕事と介護の両立で悩んでいる方は、一人で抱え込まずに相談してみてください。
地域包括支援センター
介護の総合相談窓口です。仕事との両立についても相談に乗ってくれます。
ハローワーク
介護をしながら働ける仕事の相談、介護休業給付金の手続きなどができます。
ええかいご相談
西淀川区の地域密着相談窓口として、介護サービスの調整から仕事との両立まで、総合的にサポートします。「どうすればいいかわからない」という段階でも、お気軽にご相談ください。
まとめ
- ✓介護離職は、後悔する人が多い。辞める前に立ち止まって考えよう
- ✓介護休業・介護休暇など、法律で守られた制度がある
- ✓介護保険サービスをフル活用して、仕事を続ける道を探ろう
- ✓一人で抱え込まず、家族・専門家・会社に相談することが大切