「認知症かも?」と思ったとき、
まずやること
焦らず、一歩ずつ
「最近、同じことを何度も聞いてくる」「約束を忘れていることが増えた」「性格が少し変わった気がする」——そんな変化に気づいたとき、「もしかして認知症?」という不安が頭をよぎるかもしれません。
認知症は、早期に発見して適切な対応をすれば、進行を緩やかにしたり、本人も家族も穏やかに暮らせる可能性が高まります。
この記事では、「認知症かもしれない」と感じたときに、まず何をすればいいのかについてお伝えします。
こんな変化はありませんか?
以下のような変化が見られる場合、認知症の初期症状の可能性があります。ただし、これらは加齢による物忘れや、うつ病など他の原因でも起こりえます。
大切なこと:これらの症状があっても、「認知症だ」と決めつけないでください。まずは専門家に相談し、正しい診断を受けることが重要です。
「認知症かも」と思ったら、まずやること
かかりつけ医に相談する
まずは普段お世話になっている医師に相談しましょう。必要に応じて、専門医(神経内科、精神科、もの忘れ外来など)を紹介してもらえます。本人が「病院に行きたくない」と言う場合は、「健康診断のついでに」などと伝えると受け入れやすいことがあります。
地域包括支援センターに相談する
高齢者の総合相談窓口である地域包括支援センターでは、医療機関の紹介や介護サービスの案内など、幅広い相談に対応しています。「まだ診断を受けていないけど心配」という段階でも相談できます。
変化を記録しておく
「いつから」「どんな症状が」「どのくらいの頻度で」起きているかを記録しておくと、診察のときに役立ちます。スマホのメモや紙のノートでOKです。
一人で抱え込まない
認知症は家族だけで対応するのは難しいです。早い段階から専門家や地域の支援とつながっておくことで、本人も家族も楽になります。
認知症の診断はどのように行われるか
認知症の診断は、以下のような検査を組み合わせて行われます。
問診
本人や家族から、日常生活の様子や気になる症状について聞き取りを行います。
認知機能検査
「長谷川式認知症スケール」や「MMSE」などの検査で、記憶力や判断力などを評価します。
画像検査
CTやMRIで脳の状態を調べます。脳の萎縮や血流の状態などを確認し、認知症の種類を特定します。
血液検査
認知症に似た症状を引き起こす他の病気(甲状腺機能低下症、ビタミン欠乏など)を除外するために行います。
認知症にはいくつかの種類がある
認知症は一つの病気ではなく、いくつかの種類があります。種類によって症状や進行の仕方が異なるため、正しく診断を受けることが大切です。
アルツハイマー型認知症
認知症の中で最も多い(約60〜70%)。記憶障害から始まり、緩やかに進行することが多い。
血管性認知症
脳卒中や脳梗塞が原因で起こる。症状が階段状に悪化することがある。
レビー小体型認知症
幻視(実際にないものが見える)、パーキンソン症状、日によって調子の波が大きいのが特徴。
前頭側頭型認知症
性格の変化や社会的な行動の問題が目立つ。比較的若い年齢で発症することもある。
早期発見・早期対応のメリット
治療で進行を遅らせられる
認知症の種類によっては、薬で進行を緩やかにできることがあります
本人の意思を確認できる
判断能力があるうちに、今後の生活や財産について本人の希望を聞いておけます
生活環境を整えられる
転倒防止など、安全に暮らせる環境を早めに整備できます
支援体制を構築できる
介護サービスや地域の見守りなど、支援のネットワークを作る時間があります
西淀川区での相談先
地域包括支援センター
認知症に関する総合相談窓口です。医療機関の紹介、介護サービスの案内、家族の相談など幅広く対応しています。
※西淀川区には複数のセンターがあり、お住まいの地域によって担当が異なります。区役所に問い合わせると教えてもらえます。
西淀川区役所 保健福祉課
〒555-0022 大阪市西淀川区御幣島1丁目2番10号
電話:06-6478-9859
もの忘れ外来・認知症疾患医療センター
認知症の専門的な診断・治療を行う医療機関です。かかりつけ医から紹介状をもらって受診するか、地域包括支援センターで紹介してもらうことができます。
認知症の人と家族の会
同じ立場の家族と情報交換したり、悩みを共有したりできる家族会があります。一人で抱え込まないために、こうした場に参加することも有効です。
認知症の方への接し方のポイント
否定しない
「さっき言ったでしょ」「違うでしょ」と否定すると、本人は混乱し、不安になります。
急かさない
ゆっくり、はっきりと話しかけましょう。焦らせると余計に混乱します。
できることを奪わない
「危ないから」と何でも取り上げると、本人の自尊心が傷つき、症状が進むこともあります。
安心できる環境を作る
生活リズムを一定に保ち、慣れた環境で過ごせるようにしましょう。
よくある質問
Q. 本人に「認知症かもしれない」と伝えるべきですか?
一概には言えません。本人の性格や状態によります。ただし、早い段階で本人が自分の状態を理解し、今後のことを一緒に考えられると、より良い選択ができることがあります。伝え方に迷う場合は、専門家に相談してください。
Q. 病院に行くのを嫌がります。どうすればいいですか?
「認知症の検査」ではなく、「健康診断」「血圧の薬をもらいに」など、抵抗の少ない理由で誘ってみてください。それでも難しい場合は、地域包括支援センターに相談すると、訪問での対応など別の方法を提案してもらえることがあります。
Q. 認知症は治りますか?
現時点では、アルツハイマー型など多くの認知症は完治する治療法がありません。ただし、薬や適切なケアで進行を遅らせたり、症状を和らげたりすることはできます。また、原因によっては改善する認知症(正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫など)もあります。
おわりに
「認知症かもしれない」と気づいたとき、不安や戸惑いを感じるのは当然のことです。
でも、その「気づき」は大切な一歩です。早めに相談し、正しい診断を受け、適切な対応を始めることで、本人も家族も穏やかに過ごせる可能性が広がります。
一人で抱え込まず、専門家や地域の力を借りてください。認知症になっても、その人らしく暮らし続けることはできます。
気づいた今が、始めどきです。
まずは相談してみませんか。